地震予知と学力予知

 2011.3.11の大震災からもう2年が経ちます。あの天災&人災以来、災害を予知、予測することに日本中の関心が寄せられています。現実には、いつ、どこで、どのくらいの規模の地震が来るかを予知、予測することは、今の科学のレベルではほぼ不可能であるという結論は出ているようです。

 見えないものに対する恐れは不安であり、見えるものに対する恐れは恐怖というそうです。地震は予測できない故に本当に怖いものですが、予測できないが故に、大震災によるあれだけの被害の情報を受け取っていても、それへの対策を講じることをつい怠り、一日一日と先送りしてしまいます。

 さて、お子さんの学力についてはどうでしょうか。例えば、中学1年のお子さんが初めての定期考査の結果を持って帰ってきたとします。結果は下位30%に入っているというあまり好ましくない状態です。偏差値でいえば、40に届かない学力でしょう。このままほっておけば、2年7カ月後の高校受験でどのような結果が待っているかはおおよそ予測できます。大学進学率の高い高校への進学は難しいかもしれません。

 しかし、この危機予測に対して何らかの手を打とうとする親御さんはどのくらいいるでしょうか。私の経験からは、何かしなければと思う親御さんは8割以上と結構多いのです。しかし具体的にその対策を講ずるご家庭となると2割以下に激減します。中学1年生ですと、まだ多くの親御さんが、多少不安に感じながらもあまり切迫した危機意識を持ちません。

 地震よりも訪れることが確実らしいお子さんのそこにある危機に対しても、実際に手を下す親御さんは2割程度。それが現実です。できるだけ面倒な準備は先送りしたいのです。しかし、時は残酷にもあっという間に過ぎ、中学3年の夏休みに入り、部活などから実質的に引退した頃に、初めて気づいたかのようにあたふたする親御さんが相当数いることとなるのです。

 お子さんの1年後の学力予知は、3ヶ月以内の大地震予知よりも簡単です。お子さんの毎日の学習習慣や定期考査の結果を見て、このままで良いはずがないと少しでもお感じになるのであれば、とりあえず情報を集めて、何らかの対策を講ずるための準備をしていただきたいと思います。

 小学校高学年、中学生以降ならば、高校受験への準備をするのに早すぎるということはありません。軽井沢は、その恵まれた自然とほどよい都会感、そしてゆったりとした生活の中で、高校入試という子供たちの重要なステップに対する備えが遅い気がします。

 焦る必要はありません。気持ちと時間の余裕を持って対策を立てることが、確実に状況をプラス方向に運び、お子さんに選択肢の多い未来の訪れを約束すると確信します。